我が家は、夫婦のお小遣い制をやめました。今は互いの給与を1つの共通口座に入れて、そこに紐づく家族カードで、お互い好きに使っています。上限はありません。
そう言うと「使いすぎないの?」と聞かれるのですが、やめる前と後で、支出はほとんど変わっていません。
ただしこれは「うちは仲がいいから」で片付く話ではなくて、やめても破綻しない条件が4つ揃っていたからだと思っています。その条件と、逆にやめると危ない場合を書きます。
毎月の精算が面倒で、お小遣い制をやめました
やめた理由は2つあります。
1つは単純に、運用が面倒だったこと。お小遣い制は「いくらまで」を管理し続ける前提の仕組みなので、月ごとに精算する手間がずっと発生します。
もう1つの方が大きくて、そもそも意味があるのか分からなくなったことです。
結婚している以上、どちらが使っても家計としては同じ財布から出ていきます。それなのに「あなたの分」「私の分」と線を引いて管理している。それ、意味なくない?という話になりました。
お小遣い制は「相手に勝手に使われたくない」という前提の上に立っている仕組みです。その前提が我が家には無かった、ということだと思います。
昔は夫婦とも月7万円のお小遣い制でした
とはいえ、最初からこの形だったわけではありません。
妻が妊娠を機に専業主婦になるまでは、夫婦とも月7万円のお小遣い制でやっていました。それぞれの給与から7万円を自分の取り分として残し、超えた分を共通口座に入れる、という方式です。
やめたきっかけは、妻が仕事を辞めて収入が1本になったことでした。収入が2本あるうちは「それぞれの給与から取り分を出す」という形が自然に成立しますが、1本になった時点でこの形が意味を失います。妻の取り分を夫の給与から切り出すことになるので、それはもう「お小遣い」ではなく、ただの手間です。
今は共通口座+家族カードで、お互い自由に使っています
現在の形はシンプルです。
- 給与はすべて1つの共通口座に入れる
- その口座に紐づく家族カードを夫婦それぞれが持つ
- 上限額は決めていない。欲しいものがあれば買う
支払いは基本的に家族カードに寄せています。もともと持っている個人名義のカードもありますが、ポイント還元率が明確に高い場合を除いて、なるべく家族カードを使うようにしています。理由は後述しますが、支出が1か所に集まっていること自体が仕組みとして効くからです。
お小遣い制をやめられる4つの条件
ここからが本題です。「上限をなくす」だけなら誰でもできますが、それで破綻しない家庭には条件があります。我が家を振り返って言語化すると、この4つでした。
条件1:高額の線引きが、なんとなく揃っている
「これは相談しよう」と思う金額の感覚が、夫婦でズレていないことです。
正直に書くと、我が家に明確な基準はありません。ルールとして決めたことはなく、感覚として5,000円を超えるくらいから相談するかな、という程度です。
大事なのは金額そのものではなく、その感覚がお互い近いことだと思っています。片方が「5,000円は相談」、もう片方が「10万円までは自由」だと思っていたら、上限を外した瞬間に事故が起きます。
条件2:相談すれば通る、という実績がある
これが一番重要かもしれません。
相談したときに却下されることが続くと、相談しないで買う動機が生まれます。そうなると、お小遣い制をやめたことが「隠れて使う」に直結してしまう。
逆に「相談すれば大体OKと言ってくれる」という実績があると、わざわざ隠す理由がなくなります。上限を外すというのは、管理をルールから信頼に置き換えることなので、信頼が実績として積まれているかどうかがそのまま成否になります。
条件3:積立が先に抜けていて、余った分の行き先も決まっている
ここが仕組みとして一番効いています。
我が家は、貯蓄の先取りはしていません。先に抜けているのは積立投資だけです。目的別に決めた額が毎月自動で引き落とされていくので、その時点で将来のお金は確保されています。残ったお金を自由に使っているだけなので、多少使いすぎても積立が止まることはありません。
そのうえで、月末に余った現金の行き先も決めてあります。判断はこの2つだけです。
- 生活防衛資金(我が家は生活費の9か月分)と、暴落時に買い増すための待機資金に届いていない → 現金のまま置く
- 届いている → 投資に回す
しかもこれ、毎月はやりません。3か月に1回(3月・6月・9月・12月)だけにしています。毎月やろうとすると単純に面倒で続かないので、判断する日そのものを年4回に固定してしまう形です。
逆に、何も先取りせず「余ったら投資しよう」の状態のまま上限を外すと、これは普通に危険です。使いすぎがそのまま将来の資産ゼロに直結します。上限を外していいのは、外しても壊れない構造ができてからです。
条件4:支出が1か所に集まっていて、後から見える
家族カードに寄せているのは、これが理由です。
家計簿をつけていなくても、カードの明細を見れば何にいくら使ったかが後から分かります。記録する手間はゼロなのに、把握はできている状態です。
お小遣い制の代わりに何を持つのかというと、「事後に見える状態」だと思っています。事前に制限するのをやめる分、事後に確認できるようにしておく。ここが現金払い中心だと、外した瞬間に何も見えなくなります。
逆に、お小遣い制をやめると破綻する家庭
4つの条件をひっくり返すと、そのまま危険信号になります。
- 相談しても却下されることが多い(→ 隠れて買うようになる)
- 積立が先取りされていない(「余ったら投資しよう」の状態 → 使いすぎが将来の資産ゼロに直結する)
- 現金払いが中心で、後から支出を追えない(→ 把握できない)
- 過去に、片方の買い物で本当に困った実績がある(→ そもそも信頼の前提が無い)
1つでも当てはまるなら、上限を外す前にそちらを直した方がいいと思います。特に貯蓄と投資が先に抜けていない状態で上限だけ外すのは、順番が逆です。
お小遣い制のままのほうがいい時期もあります
念のため書いておくと、お小遣い制そのものを否定したいわけではありません。
我が家も、収入が2本あった時期は7万円制のほうが合っていました。それぞれが稼いだお金から取り分を出す形なので、公平感があって摩擦が起きにくいんですよね。「自分の稼ぎなのに自由に使えない」という不満が出にくい。
収入が2本ある家庭では、お小遣い制はむしろ機能しやすい仕組みだと思います。我が家がやめたのは、制度が悪かったからではなく、収入が1本になって前提が変わったからでした。
お小遣い制をやめる前に、積立の先取りだけは作っておく
ここまで4つ書きましたが、順番として最初に手をつけるべきなのは条件3です。
条件1と2は夫婦の関係性の話なので、すぐには変えられません。条件4もカードを変えるだけの話です。でも条件3——積立が自動で先に抜ける形——は、口座と自動振替の設定を組み替えるだけで今日から作れます。
しかもこれができていると、お小遣い制をやめるかどうかに関係なく家計が安定します。使いすぎた月があっても、積立は淡々と続くからです。
我が家が実際に使っている口座構成と自動振替の設計は、テンプレートにまとめてあります。LINEに登録いただいた方に無料でお配りしているので、よければ受け取ってください。
まとめ:夫婦のお小遣い制はやめていいのか
- 我が家はお小遣い制をやめて共通口座1本にしたが、支出はほとんど変わらなかった
- やめられたのは条件が揃っていたから。①高額の相談ラインの感覚が近い ②相談すれば通る実績がある ③貯蓄・投資が先に自動で抜けている ④支出が1か所に集約されて後から見える
- 1つでも欠けるなら、上限を外す前にそこを直す。特に③が無いまま外すのは順番が逆
- なお我が家は貯蓄の先取りはしていない。先取りしているのは積立投資だけで、余った現金は「防衛資金に届いていなければ現金/届いていれば投資」を年4回だけ判断している
- 収入が2本ある時期は、お小遣い制のほうが公平で摩擦が少ないこともある
お小遣い制をやめるというのは、管理をルールから信頼に置き換えることです。信頼で回すには、壊れても大丈夫な構造が先に要る、というのが我が家の実感です。